渋谷区五島洋税理士事務所渋谷区五島洋税理士事務所
黒木信郎
(広告プロモーションアドバイザー)
マーケティングというと非常にコストのかかるもので、規模の大きい企業が大量販売するための手段と考えられがち、である。特にこの「不況」と呼ばれる昨今、無駄なコストはカットしなければやっていけない、という事業主さんも多いと思われるのでこの傾向は強いのではないだろうか。


しかしこのマーケティングという言葉、三省堂「デイリー 新語辞典」で確認すると、【消費者の求めている商品・サービスを調査し,供給する商品や販売活動の方法などを決定することで,生産者から消費者への流通を円滑化する活動。】となっている。要は商取引の相手が何を欲しているか確認し、それに対して「円滑」に活動して自己の売上につながればいいのである。調査や広告展開はこれに関する付随事項であり、より効率を上げるための手段に過ぎないのである。

何も難しく考える必要などなく、乱暴に言えば経営基盤を構成するためのコミュニケーションの第一歩がマーケティングなのである。

例えば小売店のアルバイト店員が店長であるあなたに「今日、お客さんから価格POPの文字を見やすくした方がもっと買い易いといわれた」と報告したとする。あなたはその情報を聞いて、お客様に対してより「円滑」な商取引を実行すべく、次の日には価格POPを書き直して見え方を工夫してみるだろう。この商売上当たり前ともいえる行動がマーケティングなのである。大企業の俗に言う「宣伝部」や「マーケティング部」が行なっているのは、この行動の対象をもっと大勢の消費者に向けたり、大規模で複雑な展開にともない調査や広告に予算をつけてやっているだけのことであり、基本的な考えは同じなのである。


そんな事から、頭からコストがかかるからマーケティングなんてことはできない、と否定するのではなく、商取引を継続する中で何が必要で、どうすればお客様のニーズも自己の売上も確保できるのか日頃から「ちょっと」考えることが重要である。


NHKのプロジェクトXという番組、毎回プロジェクト進行中に難題に遭遇し大抵の場合、
「ふっと」目に付いたものや、聞いたものからヒントを得て、それが成功につながる。特に消費者を対象としたヒット商品など、消費者の視点に立ってそのニーズが何か判明した時にうまく行くケースが多いと思われる。彼らの場合追い詰められて閃く場合が多いが、常に状況に対して気配りしていれば、おのずと普段の生活中に解明することも多々あるのではないだろうか。


そしてその時に自信が持てなかったり、自分の情報と消費者の動向が一致しているかどうか確認するために第三者の「調査」(リサーチ)を行なうのである。


大企業が不況になっても広告や調査を止めないのは、そういう時こそ正確な商取引相手の動向情報と効率的なアピールが必要と判断しているからなのである。いわば会社全体がマーケティングの重要性を認識しているからこそ、コストダウンで切り取ってしまえば商取引に重大な影響を及ぼすことがわかっているので続けているのである。これは長年にわたる成功ノウハウの蓄積の重要性と目に見えない信用や消費者から見た商品や自社イメージといった利益の財産化の確認、という俯瞰的な視点がなければ成り立たないのである。

その証明として経営学ではマーケティングの概念はあまり重要視されていない。


経営上、財務諸表で数値化することのできないものであるからだ。あなたのマーケティング戦略を有効投資・無形財産と考えるかどうかは事業を行なうあなた次第なのである。