| 『社長のためのマキアヴェリズム』 鹿島茂著 中央公論新社刊 \1470 政治家を称していうのに「マキアヴェリスト」という言葉がある。 日本人でいえば小沢一郎、そして、東洋の君主論といわれる韓非子などなど…。 総じて、「目的のためには手段を選ばない独裁者」といった悪のイメージをもたれていることが多い。その言葉のルーツである、イタリアルネッサンス期の歴史家、マキアヴェリの著書『君主論』を、大胆にも社長向けに説いたものが本著である。 「社長は、例え愛されなくてもいいが、人から恨みを受けることがなく、しかも恐れられる存在でなければならない」 なぜなら、「人間は、恐れている人より、愛情を掛けてくれる人を容赦なく傷つける。恩義や愛情といったものの担保価値は引くしか評価されないが、恐怖心の担保価値はいつどんなときでも高い」 著者は、君主論からの引用と自身の解釈をもって、マキアヴェリの言う"君主"を"社長"に置き換えていく。ときに強引とも思える論法も見られるが、その根底に流れるものは、ひとつ、「君主(社長)は、戦いに勝ち、ひたすら国(会社)を維持してほしい。そうすれば、彼のとった手段は、必ずやりっぱと評価され、誰からもほめそやされる」 つまり、著者のいう「善良な社長であろうと悪辣な社長であろうと(中略)社長が絶対にやってはいけないこと、それはいうまでもなく、会社を潰すこと」というものである。 この点に、僕はおおいに同感である。「そんなことは当たり前だ」と言われるかもしれないが、その「当たり前」ができずに自身の会社を潰し、社員を路頭に迷わせ、家族を悲惨な目にあわせた社長の数は枚挙にいとまない…。著者もあとがきで触れている、 「当たり前のこと=常識」さえわきまえていれば、潰さずにすんだ会社も多いはずである。 正直なところ、この『君主論』を現代の政治にあてはめるのは疑問を感じる部分も多い(なぜなら会社は、いまも昔も、あくまでも会社存続つまり利益追求が第一の目的である。が、価値観が多様化しているいま、国の政治においても、それのみを目的にするのは無理があるからである)。 だが、会社つまり社長にこの『君主論』をあてはめるならば、マキアヴェリは決して過激な思想家ではなく、しごく真っ当な人物といえるのではないだろうか。 |
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| 『楽して、儲ける!』 山田昭男著 中経出版刊 ¥1,470 「年末年始20連休」「日本一労働時間が短い」「ノルマがない」―― そんなウソみたいな会社が岐阜にある。著者の山田昭男(現在は取締役相談)創業の未来工業(株)。電気設備資材の製造販売を行なう、比較的ロ−テクの部類に入る会社だ。 最初に挙げた制度の数々に加え、本のタイトルは「楽して、儲ける!」。つい、うさんくささを感じてしまう(ついでに言えば、著者の風貌もかなり怪しい)。が、そのじつは237億円(平成14年度)を売上げる優良会社なのだ。 成長の経緯は、本書にくわしいが、まず多くの人が抱くであろう疑問、「20連休も休んで、ノルマなしじゃ、儲かるはずがない!」――に、山田はこう答えるだろう。 「やってみなきゃ、わからない」と。 山田は「日本人が得意とするマイナス空想癖」を憎み、徹底した「ポジティブ思考」を貫くーー 「社員は大事にされてこそ、やる気を出す→会社は儲かる」と。 本書のタイトルは、あながち大ゲサではないのかもしれない。 2004/06/14(木)
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