渋谷区五島洋税理士事務所渋谷区五島洋税理士事務所

1「確定拠出型年金(いわゆる401k)を見直す その2」

 さて、「気になる金融商品やお金にまつわる疑問を、カラダを張って解明する!」ということで始まったこのコーナー。第
1回の掲載からはや1か月以上、経ってしまいました。
 その間、何をしていたかというと、別に暑さにくたばっていたわけでもなく、オリンピックにうつつを抜かしていたわけでもありません。愛情が正直冷めつつあったといいますか……調べれば調べるほど「401kどうなのよ?」という思いが強くなり、一歩を踏み出せない状況にあったわけなのです。

では、これからその理由について、述べていきたいと思います。

●「運営管理機関」を選ぶポイントって?

 東京三菱銀行、日興年金コンサルティング、ソニー生命の3つの金融機関、つまり401kの運営管理機関に資料を請求したところまでは、前回でお話ししました。早速、それら資料の比較検討に入ったわけですが、ここでもはや僕は失望してしまいました。パンフレットには401kに関する一般的なことしか書いてなく、差異が非常にわかりにくいのです。会社の熱意&やる気が感じられない、と言ってもいいかもしれません。

 じゃあ、もういいや、終わり! というわけにもいきません。気を取り直し、日経新聞で「個人型401kに力を入れる」と取り上げられていた損保ジャパンにも資料請求してみました。
 ここは、そうですね、その後比較検討に入れた運営機関のなかでも、もっとも商品数が少なかったです。……「力を入れる」ということがどういうことなのかわかりませんが、選択肢が少ないということは問題です。

 世の報道を鵜呑みにしていても仕方がありません。僕は、もう一度自分なりに、401kについて調べつつ、運営管理機関を選ぶにあたって何が自分にとって大事なポイントなのかを整理することにしました。

ポイント1 実際に運用している会社はどこなのか?

 401kの場合、加入者が個々に自分の年金資産の運用方法を選択します。その際、運営管理機関から3つ以上の運用方法が提示されますが、そのうち1つ以上は元本確保型の運用方法が組み入れられることになっています。ただし、“元本確保”といえば拠出金全部返ってくるかというと、もし実際にその商品を運用している会社が破綻してしまったらどうなるのか? という問題があります。

運用会社破綻後にとられる措置は、通常の金融商品と同じです。銀行ならば一金融機関につき元本1000万円プラス利子のみ補償。生命保険会社の場合、契約者保護機構の補償割合は9割にとどまります。

ここで注意しておくべき点は、401kの運営管理機関と、実際に商品を運用する会社はあくまでも違うということで(もちろん商品によって同一の場合もあります)、実際に元本確保型商品を運用している会社がどこなのかを見る必要がありそうです。

改めてパンフレットの商品一覧を見てみると、東京三菱銀行の場合、元本確保型商品の大方は自行で運用しているものになります。とすると、東京三菱銀行は、僕のメインバンクで、他に定期預金ももっていますので、一金融機関に資産を集中させるのは、将来的にペイオフに引っかかってくる恐れがあります。また、元本確保型のメインが保険商品である保険会社を選ぶのも、最大9割しか補償されませんので、不安があります。もちろん、破綻するかもしれないランキングにのるような金融機関、つまり運用会社を避けるのは言うまでもありません。

ポイント2 ネットでの対応はどうなのか?

 大事な年金を運用するわけですから、できれば顔の見える担当者がついてくれるのが心強いわけですが、そんなことは、こちらもあちらも時間&手間の面から大変です。やはり、何かあったときにすぐメールで相談できるか、対応してくれるか、ということが大事です。ネットでの個人対応という面では、銀行よりも証券会社に軍配が上がりそうです。

ポイント3 商品の数、実績はどうなのか?

 自分で運用方法を選べない公的年金と違って、このポイントはもっとも重要、かつ運営管理機関によって差が出る部分のはずです。わかりにくいパンフレットを手に、これまで資料請求した東京三菱、損保ジャパン、日興年金コンサルティング、ソニー生命が取り扱っている商品の特徴、実績などを表にして比較してみることにしました。

そこでわかったことは、銀行、生保、証券という3つのカテゴリーで見た場合、商品の充実度というのは、証券会社に勝るものはない!ということです。    
 
 ならば日本で一番大きい証券会社ならば、さらによい商品があるのでは、と野村證券にも資料を請求しました。商品数は日興とほぼ同じでしたが、実績はダントツ。事実、野村は法人向けの401k、つまり企業型確定拠出年金では、ナンバー1の実績を誇っています。ならば、個人向けでもいい実績がのぞめそうです。

ただし、注意すべき点は、実績がいい商品がある、ということは、その分、悪いものもあるということです。つまり“ふれ幅”が大きいわけで、ここは人によって、評価が分かれるところかもしれません。僕のように“勝負”に出たい人
にとっては、この点も魅力になるのですが。

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 ならば野村で決まり! ということで終わりたいところですが、いまひとつもやもやとしているのです……。
 今回、さまざまな金融機関に資料請求したり、ネットで調べてみて感じたことは、予想以上に資料が少ない、ということでした。
 実のところ日本で、個人型確定拠出年金に加入しているのは 33,485(20046月現在) と少数派。日本版401kのお手本とされているアメリカの実態も調べてみたのですが、やはり大勢は企業型で、それも自社株を運用しているケースが多いようです。

 この背景には、運用管理機関の姿勢というものがひとつにあるように思います。運用管理機関(金融機関)は、手数料(月額500円弱の世界です)で儲けるわけですから、個人型に力を入れるより、企業型に力を入れたほうが効率がいいはずです。というより、個人型の加入者が増えすぎると、かえって面倒なのではないか? だから、宣伝に力を入れてないのでは、と思うのです。そういうのを感じてしまうと、あまり気持ちがいいものではないですよね…?

 あと、ひとつ。見落としていた大きな問題がありました。この確定拠出年金は、国民年金保険料を全額納付していないと加入できません。
 ええ、実は僕は独立してから2年間、国民年金を払っていません。これには、理由がありまして、赤字だった開業当初に無理して払うより、儲けが出てきてからまとめて払うほうが控除の面からトクだと踏んだわけです。しかし、そろそろ払ってもいいころですね。

年金を全額払い、心のもやもや(ほかにも気になっていることがあるので)…が消えたところで、最終検討に入ろうと思います。 その1に戻る  次回に続く)