年金を考える
2010年01月26日 更新
最近、未納問題で何かと騒がれている「国民年金」。みなさんはちゃんと支払っていますか?
じつは2002年度の国民年金未納率は37.2%で、約2.7人に1人が払っていない計算。
「どうせ払ったって、生活するのに充分な年金をもらえないなら、払わないほうがマシ…」という不信感から、未払者が増えているようです。
しかし、国民年金が、本当に“払い損”かというと、そうも言えないのです。3つの背景から、国民年金の性質を見ていきましょう。
1 国民年金には“保険”の意味もある
意外に知らない人も多いようですが、国民年金は「遺族年金」「障害年金」といった“生命保険”的な役目も果たしています。
たとえば、現在35歳の男性で、子供2人(5歳、3歳)、20歳から月額15,000円弱を支払ってきたケースだと、35歳までで、支払った国民年金総額は240万円になります。
この場合…
■ 現状で死亡した場合に遺族が受け取れる「遺族年金」は
→約1,800万円
■ 1級の障害を負った場合、生涯受け取れる「障害年金」(平均寿命男性78歳で換算)は
→約4,600万円
となります。
もちろん“障害”を負ってから支払ったのでは手遅れ。
未払者には一銭も支払われません。
2 国民年金は“投資”としてもじつは悪くはない
「払い損」と思われがちな国民年金ですが、じつは、支払額と受取額、そして節税額を比較すると、大手生保が売り出している個人年金よりも、ずっと有利な資産運用策をとっているといえるのです。
現在20歳の方が、60歳まで40年払うと支払総額は約780万円。
もらう年金は、65歳から受け取った場合で、男性1,030万円、女性1,590万円(平均寿命男性78歳、女性85歳で換算)になります。
さらに実際は支払額全額を所得税や住民税の計算上、控除できるため、それによる節税効果が最低でも120万円弱!
支払額と受取額の差額以上トクになります(ちなみに、個人年金の節税効果は約30万円)。
3 国民年金は今後“税金”でまかなっていく。だから…
未払者がもつ年金への不信感として、「年金システムが破綻してしまって、自分たちの世代はもらえないのでは」という見方もあります。
個人的に、厚生年金の制度については今後も維持されていくかには疑問はありますが、国民年金は維持されていくのではないかと思います。
その理由は、
■ 現状40年支払っていてももらえる額は80万円弱でとても生活できるレベルで はない。よってこの給付水準をさらに下げるとは考えられにくい
■ 年金を払うぐらいなら、生活保護を受けていたほうがいいという批判をかわすために、なんらかの方策で制度を維持すると思われる
■ 年金制度は国の根幹であり、国としてもどんな手を使ってでも制度を守ると考えられる
そうすると、国民年金は、給付額の足りない分を、どんどん税金で穴埋めしていくと考えられます。
よって、「もらえないからソン」と言って年金を払わずにいると、消費税の増税が行なわれた場合(コレが一番可能性が高い)、自分でもらえない年金のために税金を支払うことにもなりかねません。
もちろん、天引きされてしまう厚生年金と違って、国民年金については、払うか払わないかは個人の判断に任されます。
が、安易な世の中の風潮や、漠然とした不安に流されて年金を払わないことはかえって大きな損をする場合もあるので、冷静な判断が必要です。




