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税務調査がやってくる

「税務調査」という言葉に、あなたはどんなイメージをもちますか?
「言葉はきいたことあるけどよく知らない」という方もいれば、「先月初めてウチにも入って、大変だったよ!」という方、「去年入ったけど、今度はいつ来るんだろう?」、あるいは「ウチは儲かってないから関係なし!」という方もいらっしゃるでしょう。

「税務調査」とは、簡単に言えば「納税者が正しく税金を申告し、納税しているか」を税務当局がチェックするものです。
ご存知のように、わが国では「申告納税制度」をとっていますので、税務署は税金の額をごまかして申告している輩がいないか、つねに目を光らせているわけですね。

ですから、現在、サラリーマンとして会社勤めをしている方はもちろん、「節税対策どころか、まだ儲けがない」という社長や事業主の方には関係ないトピックと思われるかもしれません。

しかし、赤字で法人税を払っていない法人が全体の7割を占め、税収不足に悩んでいる国が、消費税納税義務を収入3000万円超から1000万円超に引き下げたのをきっかけとして、消費税の指導と称し、今まで調査の対象とされいなかった法人や個人へと単位が下げられていく可能性は否定できません。
“いざ!”というときに慌てないよう、「税務調査とはどういうものなのか」、知識を身につけておきましょう。

税務調査はいつ、どこに入るの?

選択の基準が明文化されているわけではありませんが、
① 事業を立ち上げて、3期(3年)が過ぎ、② 売上を順調に伸ばしている法人や個人に初めて調査が入り、そのとき不正や、グレーな部分が見つかった場合などは3年ごとに来る、というケースが多いようです。

その他、業態変更をしたり、売上や利益が急上昇した会社、勢いのある業界も目をつけられやすいといえます。

調査の時期はとくに決まっていませんが、3月決算の会社が多い関係で9月に多く行なわれます。
いずれにせよ、いわゆる“マルサ”(国税局査察課部門)が関わるような強制調査は別として、抜き打ちで行われるケースはほぼありません。
調査に入る前に、納税者あるいは関与税理士に電話連絡が入り、日程を相談し当日を迎えることになります。

税務調査当日はこう流れる

調査当日は、大抵、税務調査の職員がひとりでやってきて、帳簿、領収書・請求書などの伝票類を突合せていきます。
そして「?」「!」な点をピックアップし、質問してきます。たとえば…

「接待費とありますが、場所が会社所在地とはずいぶん離れていますが…(私的な飲食代ではないですか)?」
「ほかの取引先と比べて、A社への振り込み額が非常に多いようですが…(架空の経費なのでは)?」
などなど。

先述したとおり、調査の目的は、「適正な申告をしているのかのチェック」ですから、
1.売上げを正確に上げているか
2.架空の仕入や人件費を計上していないか
3.私的用途で経費を使っていないか
などのポイントからグレーゾーンをつついてくるわけです。

それらの質問に対して、こちらは答えていかなければいけないですし、もちろん反論もできます。
このようなやりとりが、2~3日続き、調査終了となります。

結果はどう知らされる?

調査の結果は後日、調査担当の税務職員から電話などで知らされます。
OKならばそれで終了ですが、「グレー」の判定が出た場合は、再度「グレーゾーン」について、やりとりを重ねていくことになります。
ここで「税務署からの指摘を全面的に受け入れます!」という方は、その通り修正申告をして追加分を納税すればいいわけですが、「そんなの納得いかない!」方のほうが多いですよね。

とはいっても、「おかしい」「おかしくない」の平行論議を続けていても収拾がつきません。
「これは認めますけど、その代わりこの分は払ってください」といった妥協点を見つけて終了、というケースが多数です。
両者納得の妥協点ができたところで、納税者が修正申告→納税、で終了となります。

追加で納める税金の額は、まったく払わないですむ場合から数千万円までケースバイケースです。

社長さんの中には「いくらおみやげを持たせればいい?」というような話をよく耳にします。
「おみやげを持たせる」とは税務署の職員も何か発見できなければ帰れないので、いくらか税金を持っていかせることによって税務調査が円滑に終わるという意味をいいます。

しかし、以前はどうかわかりませんが、最近では何も不正がないのに無理やり税金を持って帰るというような税務署の職員もみかけませんし、僕自身の経験でも何も指摘されることがないというケースは少なくありません。
逆に「おみやげ」を用意しておくような場合、税務署としては簡単に税金を持っていけるのですから、また3年後に税務調査がくることは容易に想像がつきます。

今後のゆくえは?

繰り返しになりますが、わが国は申告納税制度をとっていますので、税務調査においても、白黒はっきりしない“グレー”の部分が多くなってしまうのは仕方がありません。

だからこそ、もし調査の要請があった場合に備え、日ごろから帳簿や伝票類をしっかりと管理しておかねばなりません。
とくに、収入1000万円前後の個人事業主の方は、消費税納税義務の関係上、来年以降、注意が必要です。

いずれにせよ、準備さえしておけばいたずらに税務調査を怖がる必要はありません。
会社(個人)が成長していく上での一過程と受け止め、適正に対処していきましょう。